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プロダクトライフサイクル(PLC)

マーケティング
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プロダクトライフサイクルとは?

製品ライフサイクルともいい、ある商品やサービスが市場に投入されてから、支持を得て、だんだんと売れなくなって消えてしまう(撤退)までのプロセスを示したもの。

上の図は、どこでもよく見かけるグラフですね。

ほとんどの製品や事業、業界はこれに従うとされており、マーケティングを行う上でも非常に有用なツールです。

基本的には以下の4つのステージに分類されます。

プロダクトライフスタイルの4つのステージ
  • 導入期
  • 成長期
  • 成熟期、(飽和期)
  • 衰退期
まっさ
まっさ

飽和期は、成熟期が長期間にわたり続いた場合に現れるステージです。
飽和期が長いほどその商品やサービスの寿命が長く、いわゆるロングセラーと言えます。

そして、それぞれのステージでやるべきマーケティング思考、マーケティング施策が変わります。それぞれのステージにあったマーケティングをすることで、より効果的な結果を得ることが目的です。

あなたの商品やサービスが現在どのステージなのか?それをきちんと把握することで、マーケティングの最大化が見込まれます。

薬局に当てはめてみると・・・

導入期

PLC 導入期
PLC:導入期(薬局業界)


では、薬局・薬剤師業界として考えましょう。
まず、1974年を分業元年と考えますと、だいたい最初の10年〜15年くらいが導入期だと考えられます。

この頃は、

患者さん
患者さん

医薬分業って何?
薬は病院でもらうんじゃないの?

ってところから始まっており、メリットデメリットはさておき、医薬分業それ自体を患者さん達に知ってもらわないといけませんでした。

そして、その受け皿である、いわゆる調剤を担う薬局を増やさないといけませんから、インセンティブを与え、その総数も増やす必要がありました。

国策でもあったことから、今まで薬店としてOTCを中心に扱っていた町の薬局が、どんどん調剤を始めたと諸先輩方から伺っています。

このステージのマーケティングとしては、とにかく認知度の向上です。

薬局だけでなく、病院・クリニックや患者さんも手探り状態のこのステージでは、アーリーアダプターと呼ばれる顧客層にアピールし、とにかく分業を広めるということが最重要課題でした。

まっさ
まっさ

新規開業の場合も同じことが言えますね。
まずは、とにかく知ってもらう必要があります。
どんなに好立地な場所でも、3年くらい経ってやっと「

こんなところに薬局があったんだね」って言われることもありますから。

成長期

PLC 成長期
PLC:成長期(薬局業界)

医薬分業がどういうものか、医薬分業にはこんなにメリットがあるんだといったアピールとともに、どんどん分業が広がり、いわゆる調剤薬局の数がうなぎ上りに増加した時期ですね。

大体、1990年〜2005年頃くらいまででしょうか。

ある病院が分業に踏み切ると聞けば、その病院の前に薬局が立ち並び、患者さんをあの手この手で自分の薬局に呼び込もうとして、指導を受けたという話を聞くことも珍しくはなかったように記憶しています。

僕が、大学を卒業して薬剤師として働き出したのは、まさに分業がいけいけどんどんのこの成長期でした。都市部も地方も関係なく毎月、いや毎週のように薬局がオープンしており、薬剤師になれば安泰だと言われていた頃です。

この頃は、継続的なプロモーションや口コミで認知度が高まり市場のニーズが急激に増えてくるステージです。そのターゲットは、アーリーアダプターからアーリーマジョリティーに広がり、市場そのものが拡大されます。

新規参入も盛んに行われ、業界そのものが成長する時期です。

通常、このステージのマーケティングは、他の商品やサービスよりも自社をもっと認知してもらうための活動です。将来回収できるであろう期待値が高い薬局業界では、店舗展開などの大型の投資も大胆に行われ、売上も利益も大幅に拡大されました。

また、マンツーマン薬局が増加したのもこの時期です。

実際のところ、ほとんどの薬局は、良い医師と組んで処方箋を発行してもらうという一点にそのマーケティングリソースを投入していたと言っても過言ではありません。

通常では、商売として有り得ない立地条件でも相当高い家賃を払って店舗を建てたという話も聞きます。

まっさ
まっさ

マンツーマン薬局の場合、門前の病院の患者さんが順調に増えていけば、この時期にマーケティングは必要ありませんでした。
ただ、本当は、成長期にこそいつか来るであろう成熟期のためにマーケティング の種を撒き始めるのがとても大事です。

成熟期(飽和期)

PLC 成熟期
PLC:成熟期(薬局業界)

医薬分業がひと段落し、一般的に診察は医師にかかり、薬は薬局で薬剤師から説明を受けるということが認知されてきた時期ですね。

2005年頃から現在にかけてがこの成熟期です。

通常ですと、市場の成長は鈍化し、参入企業による熾烈な価格競争が発生し、利益率が低下します。
ただ、市場規模が最大化されますから、安定した売り上げ・利益を見込むことができます。

いわゆる飽和した状態になりますから、サービスや機能面の充実はもちろんのこと、自分の薬局と他との違いを打ち出したり(差別化)自分の薬局への患者さんからのロイヤルティーを上げたり(ブランド化)といったマーケティングが必要になってきます。

ターゲットは、レイトマジョリティーにまで広がり、市場は頭打ちし、これ以上の成長は見込め無くなってきます。

ただ、その中でも企業は成長しないと生き残れません。

今までは、元々なかった需要を創出していましたが、この時期になると飽和している需要のパイを奪い合うことになるんですね。

すでに潜在化された利益は少なくなっていますので、顕在化している利益を獲得する必要があります。

つまり、市場が飽和してしまった成熟期では、企業同士の合併やM&Aが成長し続けるための中心的な施策になるのは、自然な流れなんですね。

まっさ
まっさ

そして、この時期になると必ず、次のステージである衰退期を見据える組織が現れます。つまり、薬局の生き残りのための戦いが始まるということです。

衰退期

PLC 衰退期予測
PLC:衰退期(薬局業界)

時間の経過とともに、市場のニーズ、顧客のニーズが変化し、売り上げや利益が減少し始めます。

薬局業界の場合は、2018年の調剤報酬改定あたりから利益が落ちている薬局が増えているようです。

まずは、資本力が大きいチェーン薬局にその兆候が見られますが、このライフサイクル理論では、何も手を打たなければ、小規模から中規模薬局にも必ず衰退期は訪れます

導入期、成長期がだいたい15年〜18年くらいなのとここ数年の調剤報酬改定や医療費の高騰などから考えると、成熟期は2025年ごろには幕を閉じ、そこからは、徐々になのか、急激になのかはわかりませんが、薬局業界にも衰退期がやってくるのではないでしょうか。

通常、このステージを迎えると、市場から企業が撤退し始めます。

少し前から

「薬局の数が半分になるのでは?」

という話が盛り上がっていますが、ライフサイクル理論で考えるとあながちありえない話ではなさそうです。

まっさ
まっさ

ただ、考え方によっては、このステージがそのうちくるのが分かっているのであれば、先に手を打つ薬局が現れるのも当然だと思われます。どれだけ薬局業界が衰退したとしても、薬局・薬剤師が世の中から消えてなくなるといったことは考えにくいですからね。

今後の予測

PLC 安定期
安定期?

ここからは予測ですが、衰退期の先には、長期にわたる安定期が待っていると僕は考えています。

そして、ステージが安定期まで行くと医療提供施設としての薬局が適正な数だけ存在し、適正な売上と利益を得ながら世の中のインフラとして残り続けるはずです。

なので、まさに成熟期の終盤にある現在をチャンスと捉え、戦略を見直したり、薬局としてのストアコンセプトを変更するなどのマーケティング施策を駆使することで、新たな市場を開拓したりニッチ市場を独占したりできる可能性が十分残されているのではないでしょうか。

まっさ
まっさ

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