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あなたは労働集約型薬剤師?それとも知識集約型薬剤師?

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まっさ
まっさ

今回のテーマは、労働集約型と知識集約型についてです。
あなたは、どちらの型の薬剤師でしょうか?
その点について深掘りしてみようと思います。

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労働集約型とは?

経済用語の一つで、人間による労働力による業務の割合が大きい産業のこと。主に一次産業の農業を表す用語として使われていたが、現代の日本では、接客を行う商業やサービス業などといった第三次産業がこの産業に当てはまる。一般に従業員を多く抱えるため、賃金コストの割合が高い。

例えば、飲食店、介護、福祉、病院、タクシー運転手、教師などが挙げられます。薬局やドラッグストアもこの労働集約型に当てはまりますね。

労働集約型の特徴は、人がいればいる程売り上げは上がるけど、一人当たりの生産高には限界があるということです。

もっと簡単にいうと、薬剤師の方ならよくご存知の処方箋40枚あたり薬剤師一人っていうアレです。

実際問題、本当にきちんと調剤、服薬指導、薬歴記入、服薬フォローをやるなら、薬剤師一人で処方箋40枚というのも結構厳しい数字だと思います。

つまり、労働集約型の薬剤師一人で生み出せる売り上げや利益には、必ず限界が来るということです。

例え、40枚規制がなくなり、一人で何枚でも処方せんを扱って良いことになったとしても、限界が来ることには変わりありません。

労働集約型の副業

では、薬剤師の副業はどうでしょうか。

薬剤師のあなたがまず思い浮かべる副業は、休日診療所や薬局、ドラッグストアでのアルバイトなど薬剤師の免許を使い、自分の時間を削って行う副業でしょう。

これは、手っ取り早いですし、正直、薬剤師なら誰でもできます(管理薬剤師は別ですが)。そして、ここが1番のポイントなんですが、上限が比較的すぐに来てしまうということです。

このタイプの副業は、ほとんどがあなたの有限の時間を調剤や服薬指導などの時間として切り売りする仕事のやり方です。そして、時給もある程度までしか上がりません。

つまり、労働集約型の副業は、あなたが使える時間は無限にはありませんから、ある程度までしか収入を増やせません。

それでももっと収入を増やしたいと副業に割く時間をどんどん増やしていくと、今度はあなたの体が持ちませんよね。

20代や30代で体力が充実しており自由な時間が比較的あるなら、しばらく労働集約型の副業を頑張るのもいいかもしれませんが、そうでないなら労働集約型の副業をずっと続けるのはちょっと辛いかもしれませんね。

知識集約型とは?

経済用語の一つで、人間による知的生産による業務の割合が大きい産業のこと。研究開発、資格取得などに投資をし、能力やスキルを磨き商品の開発、研究を行うことで利益につなげる。専門的な知識、技能を有する人材を要するため労働集約型の一種でもあ利、教育や法制度、情報インフラが整っている先進国で特に発展している産業と言える。

主に、弁護士、会計士、税理士、コンサルティング、医薬品開発、ソフトウェア開発などが挙げられます。

知識集約型の特徴は、その専門性の高さです。

上の例を見ていただいてもわかるように、免許や資格が必要な職種だったり、既得権益や特許などを保有し、それを売り上げや利益につなげることができる割合の高い仕事ですね。

つまりレバレッジが効くということです。

まっさ
まっさ

レバレッジ効果とは「テコの原理を効かせる」ということです。他人の力やITなどの技術を利用することで、自分の力以上の収益が期待できることをいいます。
投資などで頻繁に使われますが、経営でもマーケティングでもどう生かすかが重要な課題になっています。

薬剤師も見方によれば、知識集約型と言えなくもありません。薬剤師免許を取得するために時間とお金を投資し、その結果得た能力やスキルを自分の収入につなげていますからね。

ただ、レバレッジが効かせられているかといえば、ちょっと疑問です。

結局、あなたが時間を費やしたのと同等の年収や時給で仕事をするのなら、それは労働集約型の一部としての知識集約型でしかありません。

知識集約型の副業(複業)

薬剤師としてのあなたの経験や知識、スキルを基にした副業(複業)です。これは、労働集約型の副業と比べると少しハードルが高いかもしれません。

ですが、よく考えてみると薬剤師って生涯学習し続けるのが、仕事のうちの一つです。

労働集約型とはいえ、多くの知識が必要になります。あなたも日々、自己研鑽のために勉強されているのではないでしょうか。

それに、誰にでも一つや二つ、趣味や人に自慢できる特技があるはずです。簡単にいうと、あなたの知識や特技をそれを欲している人たちに伝える、もしくは欲しがっている成果物を制作するということが知識集約型の副業(複業)です。

知識集約型も労働集約型と同じようにあなたの大切な時間を使います。ですが、労働集約型とは大きな違いがあります。それは、あなたが副業(複業)にかけられる時間は有限ですが、収入は無限になり得るということです。

知識集約型の副業(複業)の例
  • ブログなどのオウンドメディアの運営
  • 情報商材の販売
  • アフィリエイト
  • コンサルティング
  • セミナー
  • 不動産投資 etc…

(参考)資本集約型とは?

経済用語の一つで、資本の割合が大きい産業のこと。化学工業、半導体産業、鉄道、通信、エネルギーなどが当てはまる。一般的に新規参入するのに多額の資金を要するため、参入障壁が高く、寡占に陥りやすい傾向がある。

主に、機械化の進んだ製造業やメーカ、大型商業施設、それに生活に欠かせないインフラなどです。

薬局・薬剤師としては、あまり関係がないのかもしれませんね。

ただ、今後、薬局がインフラ化して行くと予想できますので、用語としては知っておいた方がいいかもしれません。

労働集約型が歩むプロセス

ここまで、労働集約型、知識集約型、資本集約型の3つの仕事の型を見てきました。

さて、あなたの今の働き方は労働集約型でしょうか?それとも知識集約型でしょうか?

労働集約型が人気の出る理由

多分、これを読んでいるほとんどの薬剤師さんは労働集約型だと思います。実際僕もそうでした。

なぜなら労働集約型はわかりやすいし、子供の頃から、それがお金を稼ぐ方法だと教育を受けてきましたから、まずは労働集約型で収入を得ようとするのは当然の流れです。

普通は、労働集約型は、普通は働いたら働いただけ収入がもらえますから、ある意味リスクはほぼゼロです。

100働けば、100もらえる状態です。

1990年代後半から2000年代前半の薬局業界の成長期は、医薬分業が進み、調剤薬局がどんどん増えていきました。当然、薬剤師は需要過多でしたから、その存在が常に必要とされ、安定した職業として人気も急上昇しました。

労働集約型はレッドオーシャン

ですが、人気があれば、いつか必ず供給過多になります。いわゆるレッドオーシャン状態ですね。

レッドオーシャン状態だと、今までと同じだけの労働をしているのに、収入が割安になっていきます。

今まで通り100働いているのに、90しかもらえなくなるということです。

そして、ゆっくりと90が80になり、そして70になり・・・、と需要と供給のバランスが落ち着くまで下がっていきます。

そうです、年収や時給が徐々にですが、確実に下がっていくんですね。

ですが、ここが労働集約型の怖いところなんですが、それでも安定しいているため人気はなかなか落ちないんです。

労働集約型はいずれ終わる

そして、もう一つ怖いのが、一度下がった単価は、よほどのことがない限りもう上がることはないんですね。

つまり労働集約型を続ける限り、収入はアップしないどころか、下がっていく一方です。

そして、労働集約型は、いずれ機械や仕組み、AIなどに取って代わられ、めでたく労働集約型としての役目を終えることになります。

つまり、その職業がなくなるということです。

労働集約型が終わる前兆

とはいえ、労働集約型の仕事が急になくなるということはありません。なくなる前にその前兆があります。

それは次の3つです。

労働集約型終焉の3つの前兆
  • 人材ブローカーが焦り出す
  • なぜか学校がどんどん増える
  • 知らず知らずブラック化する企業が増える

どうでしょう。薬剤師業界に当てはまることばかりです。

理由は簡単。労働集約型は、その名の通り労働力が必要だからです。

薬局なら必ず労働集約型薬剤師がいないと話になりません。
なので、薬剤師を斡旋する商売が儲かります。

そして、薬剤師が不足してくると、今度は母数を増やすビジネスが儲かることに気がつきます。この辺でヤバいんですが、もう止められません。

また、労働集約型のままで経営者が儲け続けようとしたら、規模を大きくし、一人当たりの人件費を下げるのが手っ取り早い

つまり、薬局の経営者が売り上げを上げたり、利益を出そうと経営努力をすればするほど、労働集約型の薬剤師さんに負担がかかるということです。

現在の薬局は、すでにこのプロセスの最終段階に近づきつつあるのは、思い当たる節がありますね。

労働集約型から知識集約型へ

あい
あい

ああ、薬剤師の未来は暗いな。

ここまで読んでそう思われたかもしれません。

確かに、今までと同じことを続けていたらその未来は暗いかもしれません。ですが、僕はまだ全然間に合うと踏んでいます。

そう、それは真の知識集約型薬剤師へのパラダイムシフトです。

実のところ、労働集約型と知識集約型は相反するものでなく、特に薬剤師においては、完全にシフトすることは難しいと思います。

ですが、最近は調剤ロボットなるものが開発されたり、非薬剤師の調剤への関わり方などの変化に伴い、徐々にですが、薬剤師の働き方が、知識集約型へシフトしているように思います。

またRPAなどの技術も少しずつですが、医療仕様になりつつあります。

そして、文部科学省も知識集約型へのパラダイムシフトを推進していますしね。

文部科学省のHPよりhttps://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2019/08/__icsFiles/afieldfile/2019/08/07/1419824_18.pdf

今回のまとめ

最初の方でも触れていますが、知識集約型は、労働集約型の一部でもあります。

つまり、あなたの時間を労働に充て、そしてその見返りとして収入を得る。この図式は、労働集約型でも知識集約型でも変わりありません。

ただ、僕は、知識集約型薬剤師(そんな言葉は今のところないですが、)が増えていけばいいなと思っています。

薬剤師の知識や経験、スキル、趣味などを生かして、レバレッジの効く複業を始めたり、複業とまではいかなくても薬局のルーティン作業を自動化するなどして、効率的でなおかつ再現性のある働き方のできる薬剤師さんが増えるといいですね。

薬剤師が、今後もっと活躍するためにも、労働集約型から知識集約型へのパラダイムシフトが不可欠なんじゃないでしょうかね?

まっさ
まっさ

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