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なぜ薬剤師にマーケティングスキルが必要なのか?

マーケティング
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この記事は約6分で読めます。

薬剤師は、薬の専門家です。
それは、誰もが知ってくれている周知の事実。

じゃー、その薬の専門家である薬剤師に、なぜマーケティングスキルなんかが必要なのか?

そのことについて深掘りしたいと思います。

まっさ
まっさ

僕も、薬剤師になった頃は、マーケティングって言葉さえも知りませんでした。
そして、薬剤師にそんなスキルが必要だなんて考えもしませんでしたね。


薬局だけでなく、病院・クリニック、役所にボランティア団体・・・。
みんな、表立って発表はしませんが、すでにマーケティングは、どの組織でも普通に行われているようです。

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薬剤師の役割とは?

もしあなたが薬剤師なら、この質問には簡単に答えられるはずです。

薬剤師の役割とは?

ちなみに薬剤師法第1条には

「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。」

薬剤師法第1条

とあります。

多少のニュアンスの違いはあるかもしれませんが、要するに「薬の専門家」です。

よく議論されることですけど、今まではこの条文の前半部分の

薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどる

ことを薬剤師の仕事として捉えていたんですね。

もちろん、すごく大事なことです。

人がこの世に生を受けて、生涯を全うする間、医薬品のお世話にならない人は多分いないでしょう。どんなに健康的な人でも、医薬品を利用する機会は必ず訪れます。

そして、一般的には禁止されている「医薬品を取り扱うという行為」を薬剤師だけが許されています。

薬剤師法第1条の前半部分は、薬剤師が絶対に忘れてはならないところですし、ほとんどの薬剤師さんは、理解されているんじゃ無いでしょうか。

今話題になっている言葉で言うと、対物業務に当たるのかなあ。

じゃー、後半部分はどうでしょう?

公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

法律用語ですから、正直あまり具体的なことは書かれていませんね。

余談ですが、法律は、解釈というものが大変重要らしく、法令を、具体的事案にあてはまるのどうか、正しく解釈する「法解釈学」という学問すらあるのだそうです。

抽象的に書かれている法律の内容を現実の生活でどのように当てはめたかで、本来法律で伝えようとしている内容が変わってくることもあるようです。

僕は法律の専門家では無いですから、ここはあまり深掘りしないでおきます。こちらの記事が参考になると思います。

とはいえ、何とか解釈しないといけません。

すごく安易に解釈したとしたら、後半部分は、やはり対人業務ということになるんでしょうね。

かかりつけ薬剤師やかかりつけ薬局、健康サポート薬局などがこの部分を解釈した具体的な事案ということだと僕は理解しています。

そして、日本がそちらに向かって進んでいるのは、調剤報酬の話題が出るたびにあなたの耳にも入っているのでは無いでしょうか?

薬剤師目線か患者さん目線か

とまあ、薬剤師の役割について考えてきましたが、これって全部薬剤師からの目線で考えた薬剤師の役割なんですよね?

今まではそれで良かったんだと思います。

どちらかと言えば、薬剤師は縁の下の力持ち的な存在で、あまり表に出てくることもありませんでした。

滝藤さん主演の探偵モノのテレビドラマではないですが、「未然に防ぐ」ことが、薬剤師の仕事。

薬剤師が何をすべきかを薬剤師目線で語ることでその役目は果たせていたんだと思います。

ただ、ステージが変わってしまいました。

薬局業界はすでに衰退期?

マーケティングの考え方の一つに事業ライフサイクル理論があり、事業や業界、商品(サービス)などには4つのステージがあると言われています。ご存知の方も多いと思いますが、詳しくはこちらを参考にしてください。

このライフサイクル理論を薬局業界に当てはめてみますと、薬局業界は今まさに成熟期から衰退期に入ろうとしています。

導入期、成長期は、とにかくその商品やサービスを広める必要がありました。それも医薬分業の認知度を上げるのが最優先事項でした。

そして、それは業界としてやるべきことだったため、基本的には、薬局同士の差別化やブランド化はそれほど必要なかったのかもしれませんね。

ですが、成熟期の後半である飽和したステージでは、世間のニーズが多様化しているため、他と同じようなことをやっていてもなかなか認めてもらえません。

それに、急激な医薬分業の副作用のため、調剤薬局のイメージが顧客の中で固定され、

世論
世論

どこの薬局も同じでしょっ

ていうレッテルが貼られてしまっています。

現実的に存在しているはずの薬局や薬剤師が、ただのお薬が渡される場所として認知され、そのためにどこでもらっても何も変わらないから、選ぶ必要もないという思考停止状態に陥ってしまっている気がします。

患者さんのビリーフ(信念)を上書きせよ!

さあ、どうしましょう。

薬剤師が、

国民の健康な生活を確保する

には、薬剤師がそんなことまでしてくれるんだという事実を世間に知ってもらわないといけません。

どうやら世間の薬剤師や薬局へのイメージといいますか、ビリーフ(信念)を上書きする必要がありそうですね。

そう、それを可能にするのが、マーケティングなんですね。

導入期〜成熟期前半までの薬剤師
  • 薬剤師にこんなことして欲しいなら、薬局にきてくださいね。
  • 薬剤師はこんなことができるので、必要な時は薬局に相談してにきてくださいね。
  • 薬剤師は病気になったときにあなたからの薬の相談を受け付けます。

確かに、薬剤師は薬の専門家ですから、患者さんが薬について知りたくなったときだけ力を発揮すればいいんだという考え方は間違ってはいないでしょう。

ただ、それだと大事な視点が抜け落ちてしまっている気がします。

それは、患者さん目線、もっというと顧客目線

マーケティングは、顧客のことを考え続けるのが仕事です。

そして、薬剤師にとっての顧客は、患者さんと自分の薬局に来てくれる可能性のある近隣の地域の全ての方々です。

飽和期〜衰退期、安定期の薬剤師
  • 顧客は、薬局に何をして欲しいのか?
  • 顧客は、薬剤師に何を求めているのか?
  • 顧客が、薬局・薬剤師に期待している事は何なのか?

それらを系統立てて考え、できるだけ正しいであろう答えに近づくアプローチがマーケティングの醍醐味でしょう。

そして、その答えに近づけば近づくほど、薬剤師の顧客への貢献度が高まるのではないでしょうか?

まっさ
まっさ

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